チンクエ・テッレ(イタリア)

チンクエ・テッレ(イタリア語: Cinque Terre)は、
イタリア北西部のリグーリア海岸にある5つの村を指す。
険しい海岸に色とりどりの家屋が並ぶ文化的景観によって知られており、
ポルトヴェーネレや小島群などと共にユネスコの世界遺産に登録されている。
また、チンクエ・テッレはワインの産地としても知られる。

歴史・社会
マナローラ付近の海岸 チンクエ・テッレの村々は、11世紀に要塞都市として建設された。
以後1000年にわたって、隣の村との往来は船で行われていた。
陸路で孤立したこれらの村々には、今も往時の面影が色濃く残っている。
平地がなく、土地も痩せているチンクエ・テッレで、
人々は急斜面の固い岩盤を砕いて石垣を築き、岩盤を砕いた際に出た砂を土壌にして畑を作った。
数百年かけて築かれてきた石垣の総延長は、6700 km に及び、
これは日本列島を往復できる距離である。 この痩せた土地に根付いた作物がブドウである。
人々はこのブドウからワインを醸造して生活を成り立たせた。
ブドウ畑を守るためには土台となる石垣の修復は欠かせない。
古い石垣は雨と風の影響で崩れやすくなっているからである。

ここで育つブドウは、あまりたくさんの実をつけない。
しかし、そのぶん味が凝縮したコクのあるワインが産まれた。
それは古くからジェノヴァの商人によって、広く輸出されていた。
16世紀の古文書『ジェノヴァ年代記』(1537年)には
「チンクエ・テッレは急斜面で不毛の土地ながら、
人々が知恵を絞ってブドウを栽培し、ワインを作っている。
多くの貴族、王子、王たちがそのワインをテーブルに置くことを大きな誇りにしている。」
と記されている。